〜野犬ウランとの毎日〜

保健所から野犬を迎え、一緒に暮らすことになりました。

誓約書に署名しました。

譲渡審査をクリアーしたので、譲渡のための書類作成に移りました。

ウランが収容されていた保健所では、殺処分0を目指して職員さんやボランティアさんが努力されており、全ての犬に番号ではなく名前が付けられていました。愛情ですね。実は、ウランの名前も職員さんがつけたものです。私も名前をつけてあげようと随分悩んだのですが、里親サイトを見ていた時からウランだったので、もう、ウラン以外がしっくり来なくなってしまっていました。職員さんの愛情が篭っているウランという名前をそのまま使おうと思いました。

職員さんが作成したカルテやボランティアさんが作成した野犬の飼育指南書等、沢山の書類が渡されました。避妊手術を受けさせる事などを書いた誓約書を渡され、署名しました。

これで、ウランは野犬から私のペットになりました。

 

その後、犬の扱い初心者の私では大変だろうということで、ボランティアさんがウランを先に引き出して、避妊手術を受けさせてくれて、少しの間預かっていてくれることになりました。

とても感謝です。

保健所の譲渡審査2

ボランティアさんが「正面から近づいたら怖がるから、お尻から後ろ歩きでゆっくり近づいてあげてください。」と言い、見本を見せてくれました。ウランは伏せで端っこに固まったまま大人しくなでられていました。

次は私の番です。同じようにウランに近づきます。カチカチです。全然こっちを見ません。こんなものかぁーやっぱりドラマみたいに運命的な出会いなんてないよね…と少々がっかり笑

 

いよいよ譲渡審査です。

始めは首輪つけからです。ウランは固まったままなので難なくこなせました。が、首を引っ張った時のウランのビビりきった顔が忘れられません。

次はリードつけです。まぁこれは首輪にひっかけるだけなのですぐできました。

最後の難関がバリケン収容です。こんな固まりのウランをどうやってバリケンに入れるのか?ボランティアさんが説明してくれました。バリケンの穴にリードを通して思いっきり引っ張って、入ったところでバリケンを立てて出られなくする、という事でした。まじか。。。そんなんして大丈夫なの?とビビる私でしたが、ボランティアさんは慣れた様子で「何が起こってるか分からない内にやってあげた方がいいんです。」と仰いました。

うむ、そう言われたらやるしかない、と覚悟を決めリードをバリケンに通し引っ張ります。しかし、ウランも抵抗して入ろうとしません。どうしよ〜と思っていると、職員さんやボランティアさんが手伝ってくれて、無理矢理ガガガッと入りました。すかさずバリケンを縦に。ウランは、何が起こったのか分からないといった様子で、ハアハア息を荒くしていました。そして、私も手伝ってくれたおかげで、何が起こったのか分からない内に終わりました笑

これで譲渡審査はクリアーです。

いや、これ一人じゃ絶対できんやーん。

頑張ろう……と思いました。

保健所の譲渡審査

保健所によって違うのですが、ウランが収容されていた所では、説明や誓約書の他に野犬限定で譲渡審査なるものがありました。首輪つけ、リードつけ、バリケン収容です。これさえ出来ない人には野犬は扱えないから、ということらしいです。

 

2016年7月5日、私は県外だったので、まず保健所に電話して簡単な口頭審査を受けました。犬を飼ったことがありますか?等の簡単な質問をいくつか受けました。緊張していたのですが、意外と簡単に『まず会いに来てください』と言われました。えっ?いいの?と拍子抜けしつつ、サクサクボランティアさんともやり取りし、その日のうちに保健所に行く事になったのです。

 

保健所でボランティアさんと待ち合わせしました。保健所なんていう所に行くのは初めてで、どうしたら…まだボランティアさん来てないのかな…と、私の方が先に着いて不審者のように受付前でウロウロしていると、ボランティアさんが気づいてくれて、職員さんとボランティアさんと一緒に犬が係留されている部屋へ行くことになりました。

 

最初、犬がいる部屋に入った時はショックでした。コンクリートと鉄の檻の中に犬が何頭も繋がれていたからです。また、犬の中でも、うなだれている犬とウロウロ歩いて吠えている犬がいました。ボランティアさんが「うなだれているのが野犬で、吠えているのは元飼い犬です。野犬は吠えないんですよ。全然違うでしょう?すぐ分かるんですよ。」と教えてくれました。

へぇーそうなんだ、確かに…と思いながら、んでウランはどこだ?と探すと、いました。繋がれて隅っこに固まっていました。

うわぁ本当に固まってる…動画で見るより怯えて悪い状況に見えました。ボランティアさんが他の子犬を指して「別にこの子でなくてもこっちの子なら慣れるのも早いしお留守番もできると思いますよ。」と言ってくれました。でも、私はウランと決めていたので「ウランがいいです。」とお願いしました。

 

下の写真は、保健所で里親募集をかけられていた時のものと、捕獲されてすぐ檻の中に入っている様子と、首輪、リードを付けられて係留されている様子です。懐かしいです。

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念願だった犬と暮らすということ2

ウランは、保健所に収容された野犬で、ボランティアさんが里親サイトに載せていました。写真だけでなく動画も載せてくれており、隅に固まり唐揚げを与えても手からは食べようとしません。左腕を怪我しており骨が少し見えていました。可愛らしい容姿と頑なな様子が印象に残り、それから何度もウランのページを見ていました。

 

この子の期限はもうすぐだ…保健所に収容されているということは期限を過ぎたら殺処分されるの?

私、こんな病気や怪我してて、怖がりな子の世話できるの?

将来この子が歳取ったら看取れるの?

 

何度も考えて悩みました。耐えきれずサイトに載せていたボランティアさんに質問し電話してしまいました。『野犬ってね、とても室内飼育に向いていると思うんです!吠えないし噛まないしトイレも最初からちゃんとできる子が多いんですよ。できる限りサポートしますし、覚悟さえあれば飼えると思います。』

 

そうか、私に覚悟があればいいのか。

これだけ気になるのにもう知らないふりはできないな。

いつやるの?今でしょ!(古い)

 

こうして私はウランを迎える決意を固めたのです。

念願だった犬と暮らすということ

私は、保健所から野犬だったウランを引き取りました。犬を飼うこと自体初めてだったので、分からないことだらけでしたが、かけがえのない存在です。もう、一緒に暮らし始めて半年が経ちましたが、出会いから振り返って綴っていこうと思いブログを始めました。これを見て、ペットショップ以外から犬を迎える選択肢を選ぶ方が増えればと思います。

 

 

私は、幼い頃から動物が好きで親に飼いたいとねだったこともありましたが、「あんたじゃ世話できんやろ。うちらは手伝わんで。」等と言われ諦め、ずっと心に秘めて来ました。動物は何でも好きでしたが、一緒に散歩に行ったり遊んだりできる犬がいいなぁと漠然と考え、ブリーダーサイトやペットショップも見ていました。しかし、どこかしっくり来ず、仕事もあるし、かわいーけど私には無理よなーと思ってました。

 

そんな時、いつものようにサイト検索していると里親サイトなるものがあるのを発見し、覗いてみることにしました。すると、今まで全然知らなかった保健所や預かりボランティアさんからの里親募集が沢山載っており、大変驚きました。言い方は悪いですが、大金出さなくても犬って飼えるんだ!なんでこんなにかわいい子達が里親さんを待ってるのに、わざわざペットショップで飼おうとしてたんだろう…と衝撃を受けました。

 

まぁかと言って、(それすら知らなかったですが)保健所の子は病気や怪我をしていることもあるし、身体だけでなく心にも傷があるかもしれん子達を初心者の私では面倒見切れんだろうと思っていたので、里親サイトを見るだけでとどまっていました。

 

そんな私が、野犬だったウランを迎える事になったのは、特に運命的な出会いがあった訳ではなく、里親サイトを見まくっていた結果、かわいい子がおる!と一目惚れしたからでした。